ごあいさつ ごあいさつ

 2011年3月11日。東日本大震災により、多くの方が尊い命を落とされ、住み慣れたお住まいや先祖代々受け継がれてきた街を失いました。津波に襲われた沿岸部はもとより市域全体においても、社会のライフラインは寸断し、物流がいつ回復するとも見えない中、被災地全体は不安と混乱の中にありました。それでも私たちは、復旧と復興を信じ、心を合わせながら一つひとつ壁を乗り越えてまいりました。身近な人とのつながりの大切さを改めて感じ、国内外からたくさんの温かい支援や励ましをいただきながら歩んだ道のりでありました。

 その未曽有の大震災から10年。10年という月日が日々積み重なっていく中で、発災直後、どれほどの被害があり、それをどのように助け合い、乗り越えてきたか、ややもすると当時を経験した私たちでさえ、記憶が薄らいでいることはないでしょうか。しかし、これからも発生し続けるであろう多様な災害に備え命を守っていくことは震災を体験した私たちの責務であり、あのときの経験や教訓を世界に広げ、未来へ伝えていかなければならないと思うものです。

 このウェブサイトでは、「つなぐ おもい つながる」をテーマに、復旧・復興にご尽力されてきた方々などに、未来へ“つなぐ”“おもい”を丹念に伺い、その活動や気持ちが次の世代へと“つながる”様につづってまいります。これから先もこうした“おもい”が未来のまちづくりに活かされ、また、私たちの心に色褪せることなく受け継がれていくことを願っています。