防災環境都市・仙台 仙台市では「杜の都」の豊かな環境を活かしながら、
災害に強いまち「防災環境都市づくり」を進めています。

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防災環境都市・「ステークホルダー」編

仙台市は「杜の都」の豊かな環境を活かしながら、防災力のあるまちをつくり、ひとをはぐくむをモットーに、世界へ誇れる安全・安心な「防災環境都市づくり」を進めている。2023年3月4日(土)、「仙台防災未来フォーラム2023」(仙台市主催)が、青葉区の仙台国際センター展示棟を主会場に開催された。同フォーラムは2015年に仙台で開かれた「第3回国連防災世界会議」の1周年イベントとして、東日本大震災の経験や教訓を未来に伝えるため2016年から毎年開催されている。第9回(2019年は2回開催)を迎えた今年は、過去最多の延べ122団体が出展。「ここから広げる 防災が身近な世界と未来」をテーマに、シンポジウムや各団体によるブース展示、事例発表、ステージショー等が行われ、約3,900人が来場した。

防災が身近な世界と未来へ 仙台防災未来フォーラム2023

フォーラムには、過去の「杜の都は守の都」キャンペーンの記事で紹介した団体も参加。「学生が取り組む!新たなファッションショー」で紹介した「総合学園ヒューマンアカデミー仙台校」の生徒たちは、前回に引き続き「エシカル・サステナブルファッションショー」をステージ発表した。

防災につながる素材を取り入れたファッションショー▲防災につながる素材を取り入れたファッションショー

2回目となる今年は「日常に“防災”をファッショナブルに取り入れる」をコンセプトに、ビジネスカレッジとファッションカレッジの生徒たちが各々オリジナルブランドづくりに取り組んだ。蛍光テープ、サイリウム、電球といった光る素材を効果的に使用し、ジェンダーレスや世界遺産と組み合わせた個性的な作品に、会場から大きな拍手が起こっていた。

性別、世代、障害の有無を問わずさまざまな人を巻き込み地域の防災意識を高める活動を行ってきた「イコールネット仙台」は、「多様な視点で取り組む防災力UP講座 発信!中学生がつくる防災宣言―明日に備えて」を発表した。県内4つの中学校から3人ずつ集まった12人の中学生たちが、「地域と防災」「家族と防災」「学校と防災」の3つのテーマで活発に意見を交わし合った。「地域と防災」のテーマでは、「地域にはさまざまな人がいる。災害時、障害のある方を私たち若者がカバーしていくことで、より助かる命が増えると思う」「親や先生から聞いた震災経験を自分たちより下の世代に伝えていくことも大事」などの声が上がった。

中学生たちがチームに分かれ、3つの防災テーマを話し合った▲中学生たちがチームに分かれ、3つの防災テーマを話し合った

その後、生徒たちは学校の枠を超え、4人1組の3チームに分かれて話し合い、中学生の視点を生かした独自の防災宣言を作って発表した。その様子を見守っていた参加者たちからは「地域の大人たちと一緒に防災を進めてほしい」「各学校の立地の弱点部分を認識した考え方はどうか」など、期待を込めたアドバイスが寄せられていた。

防災につながる素材を取り入れたファッションショー▲防災につながる素材を取り入れたファッションショー

中学生たちがチームに分かれ、3つの防災テーマを話し合った▲中学生たちがチームに分かれ、3つの防災テーマを話し合った
環境にやさしい行動を書いた花や葉の付箋が貼り付けられた「かんきょうの木」
▲環境にやさしい行動を書いた花や葉の付箋が貼り付けられた「かんきょうの木」


中学生が自分たちで作った防災宣言を発表
▲中学生が自分たちで作った防災宣言を発表

今回、仙台防災未来フォーラム内で「環境フォーラムせんだい」が初めて同時開催された。主に市内でさまざまな環境活動を行う20団体がブース出展するなか、全体企画として会場で注目を集めていたのが「かんきょうの木」。大きな紙に描かれた木の幹へ、来場者が付箋に書いた“日頃行っている環境にやさしい行動”を貼り付けていくという趣向だ。「ごみを分別しリサイクルする」「ご飯を残さず食べる」「エコバッグを使う」等々、普段の何気ない行動が花や葉になって徐々に木を彩り、フォーラム終盤には生き生きとした木の姿が出来上がっていた。

環境にやさしい行動を書いた花や葉の付箋が貼り付けられた「かんきょうの木」
▲環境にやさしい行動を書いた花や葉の付箋が貼り付けられた「かんきょうの木」

震災から12年を前に、多くの人々が関心を寄せ足を運んだ本フォーラム。クロージングでは、イコールネット仙台の企画で中学生の視点を生かした防災宣言を作った中学生たちが登壇し、発表を行った。中学生たちは、「さまざまな地形の特色を持つ学校の生徒が集まったことで、宮城県はいろいろな災害が起こる可能性があることを実感した」「他校の生徒の意見を聞くことで自分の防災の視野が広がった」などと口々に感想を述べ、深い学びを得られたことが伺われた。

中学生が自分たちで作った防災宣言を発表
▲中学生が自分たちで作った防災宣言を発表

今回のフォーラムからも伝わるように、仙台市には震災の経験を生かして、防災や環境問題に取り組むステークホルダーが多く活躍しており、防災環境都市づくりを支えている。シリーズで紹介してきた「家庭で備えよう、考えよう」の中にも、日ごろ家庭で実践できるヒントがあった。身近なことから実践できる防災や環境保護行動について、今後も意識し、考え、実行していこう。

家庭で備えよう・考えよう

中学生の視点で作った「わたしたちの防災宣言」の中に、日ごろの生活の中で意識できる防災・減災行動がある。

「地域と防災」
・私たちは地域住民との繋がりを大切にして、素早く避難できるようにします。
・私たちは防災に関する情報収集のために、ハザードマップの確認を怠りません。
・私たちは防災を身近に感じてもらうために自分の体験を周りの人に話します。
・私たちは災害が起きた時に安全に避難できるように自助、共助、公助を意識して行動します。

「家族と防災」
・私たちはお互いに支え合える関係を目指します。
・私たちはコミュニケーションをとり安心しあえる関係を目指します。
・私たちは家族のために自立します。
・私たちは家族から震災の時の様子を聞き後世に伝えていきます。

「学校と防災」
・私たちはいつ起こるか分からない災害のために普段から適切な行動を考え生活していきます。
・私たちは学校の授業で学んだ災害のことを、そこで終わらせずに後輩たちや後世に伝えていくことを目指します。
・私たちは地域の方々が安心して生活していけるように中学校主体の地域を目指します。
・私たちは学校や学区内の危険な場所を確認し、他の生徒や地域の方々のために呼びかけをしていきます。

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