防災環境都市・仙台 仙台市では「杜の都」の豊かな環境を活かしながら、
災害に強いまち「防災環境都市づくり」を進めています。

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防災環境都市・「ステークホルダー」編

仙台市では、快適で防災力の高い都市「防災環境都市づくり」を進めている。
今回は男女共同参画の推進を目指して設立され、さまざまな活動を行ってきたイコールネット仙台 常務理事 宗片恵美子さんにお話を伺った。

心の復興を大事に 多様な視点で防災意識を高め合う

活躍する女性防災リーダー

イコールネット仙台の宗片恵美子さん▲イコールネット仙台の宗片恵美子さん

イコールネット仙台は2003年、男女共同参画の推進を目指して設立され、さまざまな活動を行ってきた。東日本大震災直後、宗片恵美子さんらは津波被害の大きかった沿岸部の避難所へ入り、女性のニーズを聞き取って物資提供や洗濯代行、相談対応などの支援にあたった。

支援活動を通して痛感したのは、避難所のリーダーはほとんどが男性で、女性は声を上げられなかったこと。プライバシーが保てず着替えや授乳に苦労したという切実な訴えがあった。「女性の声を反映するために、女性たち自身が地域防災の担い手になるべき」。そう考えた宗片さんらは人材育成に乗り出し、2013年から3年間で、専門知識を備えた女性防災リーダーを100人以上誕生させた。養成講座受講後、受講者にはリーダー任命後に必ず地域で防災活動を実践することを求め、活動のサポートも行った。その後、自主的な女性防災リーダーネットワークが各区に発足し現在も活動が継続している。

2023年1月には7年ぶりに養成講座を実施した他、地域で独自に女性防災リーダーを育成する動きも起きている。近年頻発する災害を受けて、全国の自治体などからも問い合わせが増えているという。「女性は地域の実情をよく知り、生活者としての視点も豊か。地域防災や避難所運営に女性が加わることは男性にとってもメリットが大きい」と宗片さん。「10年前に生まれた女性リーダーが道を切り拓き、根気よく地域に活動を根付かせてくれた。これからますます活動の幅を広げてくれると思います」。

イコールネット仙台の宗片恵美子さん▲イコールネット仙台の宗片恵美子さん

地域防災に欠かせない多様な視点

災害に強い地域を作るためには、性別や世代、障がいの有無などを超え多様な住人が力を合わせる必要がある。イコールネット仙台は、女性だけでなくさまざまな人を巻き込んで地域の防災意識を高めようと「多様な視点で取り組む防災力アップ講座」を企画。同団体の講座はこれまで男性の参加が圧倒的に少ないことが課題だったが、今回男性を含むプロジェクトチームで企画運営を行うことで、性別や世代を問わず多くの人が参加した。第1回は障がい者や外国人、LGBTQの当事者・支援者の取り組みを知るシンポジウム、第2回は誰もが安心できる避難所をデザインするワークショップを開催した。

多様な人たちの災害時の困難を「知る」「支え合う」シンポジウム▲多様な人たちの災害時の困難を「知る」「支え合う」シンポジウム

第3回は3月4日(土)に開催される「仙台防災未来フォーラム2023」内で「発信!中学生がつくる防災宣言~明日に備えて」を実施する。宮城県内4中学から生徒12人が登壇し、参加者の前で意見交換しながら防災宣言を作り上げる。宗片さんは「中学生である自分たちが災害時に何ができるかを掘り下げることで、地域住人としての意識を育んでほしい」と期待する。同団体はこれまでフォーラムにたびたび参加しており「防災への意識を多くの団体・個人と共有する貴重な機会。団体の活動についても広く知ってもらえる」と意義を感じている。

「人間の復興はすすんでいるか」シンポジウム▲「人間の復興はすすんでいるか」シンポジウム

2011年以来、女性に寄り添い被災者支援や防災啓発活動に取り組んできた。一貫して掲げるテーマは「人間の復興はすすんでいるか」だ。「心の復興は容易に完結しません」と宗片さんは話す。「課題が残っている限り、活動し続けます」。

多様な人たちの災害時の困難を「知る」「支え合う」シンポジウム▲多様な人たちの災害時の困難を「知る」「支え合う」シンポジウム

「人間の復興はすすんでいるか」シンポジウム▲「人間の復興はすすんでいるか」シンポジウム

家庭で備えよう・考えよう

・色々な立場に立って防災を考えてみよう
・「誰もが安心して過ごせる避難所とは」を話し合おう

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