防災環境都市・仙台 仙台市では「杜の都」の豊かな環境を活かしながら、
災害に強いまち「防災環境都市づくり」を進めています。

メニュー

仙台防災未来フォーラム2021 3月7日(日)クロージング 市長メッセージ

 2011年3月11日。マグニチュード9.0という巨大地震と、そして千年に1度ともいわれる大津波によって、尊い多くの命と、先祖代々受け継いできた美しい街が失われました。あの震災から10年の月日が流れました。津波の被害にあった沿岸地域ばかりでなく、仙台市域全域のライフラインが途絶して、物流の回復も見通せない中で、多くの市民の皆様が、不安を抱えてうずくまっておられました。この10年を改めて振り返ることとなった、今回のフォーラムでございます。

 しかし、思い返してみますと、あの困難な中にあって、先ほどの演奏でもあるように、音楽が紡ぐ美しいメロディーに心癒されて、そして、立ち上がる力をいただき、この街を思う多くの皆様方と手を携えて、一つひとつ壁を乗り越えてまいりました。この間、国内外の多くの皆様方に暖かいご支援をいただきましたこと、改めてこの場をお借りしまして深く感謝申し上げます。

 2日間のフォーラムでは、それぞれこの10年を振り返り、復旧・復興にどのように携わったか、そして何を考えて行動してきたのか、発表や展示がございました。国連防災機関の水鳥代表からは震災から10年を踏まえた被災地へのメッセージがあり、そして先ほど今村先生からご報告があった、様々なテーマでのセッションでは、色々な示唆に富むご意見・ご提言が出されたところでございます。

 また、若い皆様や女性たち、企業の皆様方など多様な主体の方々が、この震災対応で何を取り組んできたのか、その発表や展示がございました。わたくしもいくつか回らせていただきましたが、本当に素晴らしい取り組みを進化させながらこの10年やってこられたことを実感させていただきましたし、震災復興のみならず、現下のこのコロナあるいは地球温暖化など、都市が抱える様々な課題についても活動を進められていることを知りまして、大変感銘を受けたところでございます。

 2015年に仙台国際センターで開かれた第3回国連防災世界会議で採択された世界の防災指針である「仙台防災枠組」には、多様な主体の皆様たちが防災・減災に取り組んでいくことの重要性がうたわれていますけれども、今回のこのフォーラムは、それを体現する良い機会になったのではないかと思ったところです。

 この10年の歩みの中で得られた様々な知見は、次の世代に引き継ぎ、そして国内外に役立てていただくようにすることが、あの東日本大震災を経験した私たちの責務であると考えます。

 大切な家族や友人を失った深い悲しみ、またふるさとをなくした心の痛みは、簡単に癒えるものではございません。今もそれを抱えながら暮らしておられる方々が多くおられます。その皆様方に寄り添って、これからも心のケアやコミュニティを形成する支援に取り組んでいかねばならないと思っております。

 市民の皆様方一人ひとり、そして地域に関わる全ての団体の方々が、災害に強い、そして安全なまちづくりに常日頃から取り組み、災害は必ず起こるものであるととらえて活動を続ける。そして災害が起きた際にはそれぞれが支えあいながら、しなやかに回復していくという本市ならではの「災害文化」が息づくまちへ。

 本市は、豊かな自然環境を活かしながら、防災力の高い「防災環境都市」を推進し、快適で住みやすいこのまちの優位性を高め、「選ばれる都市」、そして市民の皆様が「誇れる都市」を目指してまいります。

 震災から10年を迎えるいま、次の10年、そしてその先の未来を見据えて、「経験を未来へ」。
ともに歩み、次の世代へ、そして世界へつないでいきましょう。

仙台市長 郡和子

ページの先頭へ