仙台市では、ライフライン(※)、公共交通機関、公共施設の災害対策を、施設・設備の耐震化に加え、災害時の復旧・復興を見据えた業務改善や事業継続計画(BCP)の策定といったハード・ソフト両面から総合的に進めています。※電気供給は民間事業者が実施。
仙台市では、昭和53年の宮城県沖地震を教訓に、管路更新・新設の際に一定の耐震性を有する管種を採用するなど、様々な対策に取り組んできました。しかし、東日本大震災の際には、それらの対策が早期復旧などに一定の効果を発揮したものの、市内の約半数の世帯が断水の影響を受けるなど大きな被害が生じました。この経験を踏まえ、これまでの災害対策の効果と課題を検証し、災害に強い水道の構築に取り組んでいます。
現在は、災害拠点病院などへの管路や浄水場、配水所などの施設の耐震化に加え、長期停電対策として浄水場や主要な配水所・ポンプ場における非常用自家発電設備の燃料タンク増設等を進めています。さらに、指定避難所の市立小学校に、地域住民が自ら給水所を開設・利用することができる「災害時給水栓」を順次整備し、地域の防災訓練においてその使用方法の説明を行うとともに、水備蓄の啓発を行うなど、地域における「自助」・「共助」と連携した災害対応力強化の取り組みにも力を入れています。
水道事業における災害対策の主な目標値
平成 26 年度末 | 平成 31 年度目標 | |
---|---|---|
耐震性を有する管路の割合 | 86.5% | 87% |
災害拠点病院などへの管路の耐震化 | 19 箇所 | 30 箇所以上 |
配水池耐震施設率 | 15.5% | 50% |
災害時給水施設の整備箇所数 | 94 箇所 | 180 箇所以上 |
主要浄水場における長期停電対策実施率 | 25% | 100% |
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お問い
合わせ水道局総務課
022-304-0007
本市の下水道事業の歴史は古く、明治32 年に東京、大阪に次いで工事に着手、昭和32年には国の事業計画認可を取得し、近代的な下水道整備を開始しました。その結果、平成26年度末の汚水処理人口普及率は99.5%に達しています。災害対策を進めながら、施設の増加や老朽化に伴う維持管理費を計画的に管理するため、本市ではアセットマネジメントを導入しています。
本市の下水処理施設は、東日本大震災の津波により沿岸部において甚大な被害を受けましたが、事前に下水道管の耐震化、災害時応援体制の強化、事業継続計画(BCP)の検討といった災害対策を進めていたため、被災後の市街地では汚水溢水もなく、また、使用制限をかけることもなく復旧に着手することができました。
被災した南蒲生浄化センターの復興にあたっては、被災前の状態に戻す復旧に止まらず、かさ上げや耐水扉の設置により東日本大震災クラスの津波に耐えうる施設としたほか、非常用電源として太陽光発電システムや水力発電を設置し、文字通りビルド・バック・ベターの考え方を取り入れています。また、下水道管の耐震化を平成32年までに40.6%、下水道施設の耐震化を平成32年までに71.1%達成することを目標とするほか、震災の経験を踏まえたBCPを策定し、ハード・ソフト両面から災害対策の強化を図っています。
さらに、上記の地震対策のみならず、特に市内中心部で高くなっている大雨時の浸水対策として、下水道トンネル(雨水管)と雨水調整池の設置やポンプ場の建設を進めています。
下水道の災害対策については「防災環境都市づくりの取り組み – まちづくり」もご覧ください。
下水道管及び施設の耐震化率
平成26年 | 平成32年目標 | |
---|---|---|
下水道管耐震化率 | 33.8% | 40.6% |
下水道施設耐震化率 | 6.7% | 71.1% |
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お問い
合わせ 建設局下水道計画課
022-214-8823
tos009430@city.sendai.jp 建設局下水道調整課
022-214-8814
ges011120@city.sendai.jp
仙台市では、定期的に発生する地震の教訓をもとに、ガス漏えいによる二次災害を防止しながら都市ガスを安定供給するため、ガス管の耐震化、供給ラインの二重化とブロック化、日本ガス協会・全国都市ガス事業者との連携といった地震対策を実施してきました。東日本大震災時は、地震と津波により国内のガス事業者で初めて製造供給設備に甚大な被害を受け、市内約36万戸への全面供給停止を余儀なくされましたが、当初の予定より早く約1か月で9割の復旧を果たすことができました。
しかしながら、全面供給停止によって市民生活に多大な影響を与えた反省から、復興においてはいかなる状況においても安全かつ安定的なガス供給を実現するため、ガス管の耐震化、製造設備の津波対策、緊急時ガス受け入れ設備の増設といったハード対策を進めるほか、作業エリアの細分化、災害対策マニュアルの見直し等のソフト対策を実施しています。
水道事業における災害対策の主な目標値
お問い
合わせガス局総務課
022-292-7712
児童生徒が集い、緊急時には地域の避難所となる学校については、平成8年より耐震診断や耐震補強工事により耐震性能の確保を進めており、東日本大震災時の耐震化率は99.9%であったため、建物の倒壊を免れ、学校管理下での児童生徒の負傷等はありませんでした。その後も対策を進め、平成23年(2011年)には耐震化100%を達成しました。
また、東日本大震災では避難所の電源喪失及び安全確保が課題となったため、太陽光発電とバッテリーの設置を通じて電源確保対策を行うとともに、屋内運動場等における天井等落下防止対策を実施しました。さらに、全小中学校に防災主任を配置し、防災教育の年間指導計画の作成と実践、地域や保護者との連携した防災教育に取り組むほか、仙台市独自の防災教育副読本を平成24年度より全生徒に配布し、毎年改訂を実施しながら各教科・領域で活用を図っています。
仙台市版防災教育については「防災環境都市づくりの取り組み – ひとづくり – 仙台版防災教育の推進」をご覧ください。
指定避難所への太陽光発電システム及び蓄電池の設置数(基)
お問い
合わせ 都市整備局建築指導課
022-214-8323
tos009420@city.sendai.jp 教育局教育指導課
022-214-8875
kyo019120@city.sendai.jp