2023年12月14日
令和5年11月26日(日曜日)、仙台防災枠組講座シリーズの特別編として、「基礎から学ぶ仙台防災枠組 -2030年までに出来ることって何だろう-」を開催しました。
今回の講座は、仙台防災枠組の後半期において、共に枠組を推進していくため、2030年までに何が出来るのかを考えることをテーマに開催しました。
前半は、東北大学災害科学国際研究所の今村 文彦教授より、枠組の成り立ちや私たちの生活との関係等、枠組を理解するうえで基礎となる内容を分かりやすくご講義いただきました。
後半は、参加者が5~6名ずつのグループとなり、ワークショップを行いました。はじめに、東北大学災害科学国際研究所の泉 貴子教授より、ワークショップの意義や枠組の優先行動についての解説をいただきました。
その後、参加者が日頃取り組んでいる防災・減災活動を付箋に書き、枠組が掲げる4つの優先行動「①災害のリスクを理解し、共有すること」「②災害リスク管理を強化すること」「③防災・減災への投資を進め、レジリエンスを高めること」「④災害に十分に備え、復興時にはビルド・バック・ベターを実現すること」に分類しながらグループ内で共有した後、他の参加者の意見を受け今後取り組んでいきたい行動について改めて話し合いました。
いくつかのグループから各地域で行っている活動の共有や課題について発表が行われ、最後に今村教授・泉教授より講評を頂きました。
【今村教授】
今回は、仙台防災枠組についての講義とワークショップを行いました。ワークショップは、お互いの取り組みを知るいい機会となったと思います。
今後取り組んでいきたい事を書いた水色の付箋が今後の課題であり、大切な点です。課題は地域だけではなく、行政にもあります。メディアの発信に関する意見もありました。
今回のように、みんなで意見を出し合い、みんなで解決していくことが大事です。防災の課題は社会全体の課題ですが、防災の課題は比較的一人一人や地域で取り組みやすい課題でもあるので、ぜひ皆さんの活動を活発にして頂ければと思います。
最後に、今回のようなワークショップは日々の活動をお互いに知り合い、課題を出すという点で意味のある時間でした。2時間お疲れ様でした。
【泉教授】
多くのグループで「多様性」についてのお話が多く出ました。
多様な方のニーズを聞いて、どう防災対策に落としていくかを皆さんが非常に苦労されているように感じました。
多様性のニーズに応えていくには、個人情報の取り扱いが課題です。課題解決の1つの方法として、近所付き合いに参加して、日頃から顔の見える関係性作りをしておくこと等があります。
皆さんの役割はとても大事ですので、ぜひ地域の中、仙台市の中で取り組んでいる行動を今回のような講座で教えて頂き、一緒により良い活動にしていければと思っております。
【講座の概要】
■日 時 令和5年11月26日(日曜日)10時30分~12時30分
■主 催 東北大学災害科学国際研究所、仙台市
■会 場 青葉山公園仙臺緑彩館 交流体験ホール
■参加人数 37名
【ワークショップ内容】
■主な意見
(1)現在取り組んでいること
・町内の防災訓練への参加
・防災講座への参加、開催
・町内会との顔の見える関係性作り、情報共有
・備蓄物資の準備
(2)今後取り組んでいきたいこと
・要支援者情報のシステム構築やルール作り
・若い世代との取り組み
・地域との関係性作り
【講座の感想】
・各町内会での取り組みについて知ることができて参考になった。
・ワークショップの議論から新しい気付きが得られた。
・「仙台防災枠組」の全体像が判るとともに、参加者と意見交換できてよかった。
・地域の違いを理解でき、防災の取り組み・ニーズも様々であることが分かりました。
・「仙台」が国際的な防災の中で大事な立場であることを知れた。