防災環境都市・仙台 仙台市では「杜の都」の豊かな環境を活かしながら、
災害に強いまち「防災環境都市づくり」を進めています。

メニュー

大切な人とまちを災害から守るために。地域を繋ぐ、防災宣言とSBLの活動

宮城野区岩切地区町内会連合会SBL
岩切の女性たちによる防災宣言をつくる会代表

菅野 澄枝さん

1968年、黒川郡大和町生まれ。
同会の代表、またSBLとして、各地の地域防災講座の講師やファシリテーターなどを務める。

宮城野区岩切地区町内会連合会SBL
いわきり防災エンパワーメント代表

伊藤 栄松さん

1951年、仙台市生まれ。
交通安全協会岩切今市支部長を務める傍ら、地域の防災・減災を推進する同グループの代表として活躍。

宮城野区岩切地区町内会連合会SBL
民生委員・主任児童委員

育村 みどりさん

1963年、塩釜市生まれ。
児童福祉を担当する主任児童委員として活動する傍ら、SBLとして主に小学校との連携を図る役割を担う。

宮城野区岩切地区町内会連合会SBL
みやぎ生活協同組合理事

緑上 浩子さん

1962年、岩手県二戸市生まれ。
みやぎ生活協同組合理事を務める傍ら、SBLとして防災講座の開催や地域の防災マニュアル作成にも関わる。

岩切地区町内会連合会では、震災前から「岩切の女性たちによる防災宣言をつくる会」のメンバーを中心に、地域ぐるみで防災・減災活動に取り組んでいます。今回は、仙台市地域防災リーダー(SBL)としても活躍している皆さんに、お話を伺いました。

人を繋ぎ、思いを繋ぐ、防災まちづくり

防災活動を始めたきっかけは何でしたか。

菅野
2010年4月、当時の宮城野区長の提案で、子育てサークルのメンバーや婦人防火クラブ、PTAなど、様々な立場の方に呼びかけ、「岩切の女性たちによる防災宣言をつくる会」の活動を始めたのがきっかけです。各家庭で災害に備える「自助」、日頃からご近所の皆さんと信頼関係をつくり、災害時にはサポートし合う「共助」の大切さを自分たちの言葉でつづった防災宣言は、地域の人達を巻き込み、繋ぎ、支え合うネットワークづくりの第一歩になりました。
緑上
菅野さんの呼びかけで「つくる会」に参加し、子育てや介護で昼間も家にいることの多い主婦の目線で主体的に防災に関わり、自分達にできることを考え、行動していこうという意識が生まれました。行政や地域との連携や、会をまとめる菅野さんというキーパーソンの存在が、活動を進める上でとても大きかったと思います。

震災の経験を地域防災に活かすSBLの役割

SBLとして、どんな活動をされていますか。

育村
東日本大震災が発生したのは、宮城野区の総合防災訓練で「岩切・女性たちの防災宣言」を発表した9ヶ月後でした。電気・ガス・水道のライフラインが止まり、通学路には石垣が崩れ落ち、たくさんの人が避難所に押し寄せました。「つくる会」のメンバーもそれぞれの立場で避難所に集まり支援を行いましたが、助け合える仲間がそこにいることは、とても大きな心の支えになりました。

▲備蓄倉庫の見学▲備蓄倉庫の見学

菅野
一方で、混乱する避難所の中で、配慮が行き届いていない女性や子どもたち、高齢の方々に、何かお手伝いしますかと声は掛けるものの、専門的な知識や経験を持たない私たちに出来ることは限られていました。もっと具体的・実践的に学んでおけば良かったという反省や、日頃からの備えの重要性を痛感した体験から、「つくる会」のワークショップをサポートしてくださったNPO法人イコールネット仙台が主催する「女性のための防災リーダー 養成講座」に参加、続いて緑上さんと一緒に、「仙台市地域防災リーダー(SBL)養成講習」を受講しました。
緑上
現在、岩切地区町内会連合会では、自分も含めて5人のSBLが活動しています。防災訓練、救急救命講座の企画・運営や、岩切地区の防災マニュアル作成に女性の視点を活かす提案も行うほか、全国各地の地域防災講座では菅野さんが講師を務め、「つくる会」でも、震災の経験を踏まえてさらに内容を深めた「岩切・女性たちの防災宣言2015」を発表し、国連防災世界会議での安倍総理のスピーチでも紹介されました。大切な人、まちを守る地域との繋がりをより一層強くするために、学び、行動し、伝え続けていかなければ、という思いを新たにしています。
伊藤
「つくる会」のSBLメンバーが中心となって、「いわきり防災エンパワーメント」というグループを立ち上げています。地域の防災意識の向上と世代を超えた交流を目的に、子ども達と一緒に「いわきり防災かるた」の作成を行うなど、次の世代にも震災の経験と教訓を語り継ぎ、地域の皆さんに「共助」の大切さを伝える活動を行っています。

地域の防災活動を世界へ

昨年は、海外からの研修の受入も行ったそうですね。

菅野
昨年の2月と12月に、JICA(国際協力機構)主催の研修で、ネパール・スリランカ・パキスタンなどから来日した各国の行政やNGOの皆さんに、指定避難所である岩切中学校の防災備蓄倉庫を見学していただき、私たちの防災活動が地域を繋いでいることや自主的な市民活動であることをお話しました。 「仙台防災枠組2015 - 2030」にも、「自助」・「 共助」や女性、子ども、高齢者の災害リスクを軽減する取り組みの重要性がうたわれています。私たちの経験や日頃の地域防災の取り組みを、海外の方々にもぜひ伝えていきたいですね。そして、地域で暮らす皆さんにSBLの活動をさらに知っていただき、防災・減災の取り組みを広めていきたいと考えています。

仙台市地域防災リーダー(SBL)

平成24年度より仙台市が独自の講習プログラムに基づいて養成している、町内会長などと協力しながら自主防災活動の中核を担う人材で、現在は市内で約600名のSBLが活動している。
平常時は、防災訓練の企画・運営及び地域住民に対する啓発活動などを行い、災害時は地域住民の安否確認や避難誘導、避難所の開設・運営などに当たる。

ページの先頭へ