防災仙台都市・仙台 仙台市では「杜の都」の豊かな環境を活かしながら、
災害に強いまち「防災環境都市づくり」を進めています。

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世界へ、そして未来へつなぐ、津波防災の取り組みと復興。

南蒲生町内会長
松岡和雄さん

1941年仙台市生まれ。
先祖代々南蒲生に暮らし、震災時町内会役員を務め、2016年1月より現職。地域コミュニティのまとめ役として活躍している。

南蒲生町内会防災部長
(仙台中央タクシー㈱業務部観光課)

桜井慶哉さん

1947年仙台市生まれ。
2016年1月より現職。
語り部タクシーのドライバーとして津波の教訓などを語り伝える活動も行っている。

忘れてはならない、津波の経験と教訓。

震災時の津波被害はどのようなものでしたか。

松岡
南蒲生地区は3メートルを越える津波でほとんどの家屋が浸水または流出して、当町内会だけでも17名の方が亡くなりました。私は車で自宅へ帰る途中で、ラジオから流れる津波のニュースを信じられない気持ちで聞いていました。産業道路から先は、車を降りて腰まで水に浸かりながら自宅へ向かいましたが、駐在所の警官に止められ、諦めざるを得ませんでした。幸い家族が、無事に避難していることがわかり、指定避難所である岡田小学校に行きました。周囲の方に話を聞くと、津波警報を聞いて小学校に避難するとすぐに校庭まで津波が押し寄せ、慌てて校舎の屋上へ駆け上って難を逃れたということでした。

▲岡田小学校の屋上に避難する町内会の皆さん(津波避難訓練)▲岡田小学校の屋上に避難する町内会の皆さん(津波避難訓練)

桜井
私はこの津波で自宅が流され、娘婿を亡くしました。家族を助けなければと、自宅に戻ろうとしたのですね。本当に悔やんでも悔やみきれない。無念でなりません。あの時、がれきを巻き込んだ津波が凄まじい勢いで七北田川を遡り、たくさんの家や人を押し流していきました。私自身も仕事で、中野小学校の辺りをタクシーで走っており、携帯電話で娘と孫に「とにかく高い所へ逃げろ」と伝えた後、津波のがれきにぶつかり、血だらけになりながらも九死に一生を得ました。海岸近くで大きな地震を感じたら、自分一人でも高いところへ逃げる、そして何があっても絶対に戻らないことです。

未来へ伝える、地域ぐるみの防災活動。

毎年「津波防災訓練」をされているのですね。

松岡
今年の訓練には120人の住民が参加しました。岡田小学校に新たに完成した屋外津波避難階段を屋上まで全員が駆け上がり、班ごとに人数の確認・点呼を行いました。消火訓練や怪我の応急処置の講習なども行いました。
11月5日の仙台市全体の津波避難訓練では、岡田地区7町内会合同訓練も実施する予定です。

▲避難人数の確認・点呼を行う様子(津波避難訓練)▲避難人数の確認・点呼を行う様子(津波避難訓練)

桜井
地域の若いご夫婦や小さな子どもたちも多数参加しています。町内会の婦人防火クラブでは50名が活動しており、女性の仙台市地域防災リーダー(SBL)も活躍しています。こうした活動を他の地域にも広め、次の世代へと受け継がなければなりません。自分の身を守る「自助」はもちろん、地域の人たちと助け合う「共助」も重要です。隣近所の人にも声をかけあえる関係を、日頃から築いて欲しいですね。

津波防災、復興への取り組みを世界へ。

復興と防災についてメッセージをお願いします。

松岡
震災の翌年から、地域の若い人たちが中心となって「南蒲生復興部」を立ち上げ、自然豊かな環境と調和するまちづくりを進めています。蒲生から藤塚の沿岸部では、かさ上げ道路をはじめ海岸防潮堤や河川堤防の整備が進んでいます。ビルド・バック・ベター(より良い復興)と言うそうですが、震災前よりももっと良いまちにしていこうと、行政や企業などと一体となって復興に取り組んでいます。
桜井
私は南蒲生町内会の防災部長を務めるとともに、語り部タクシーのドライバーとして視察に訪れる方々を被災地に案内し、津波の恐ろしさや教訓、また復興の歩みなどを伝える活動もしています。震災の経験と教訓を語り継ぎ、国内外の皆さんと共有していくことも、私たちの大きな責務だと思います。
松岡
11月5日は、「世界津波の日」ですね。11月にインドで行われる「アジア防災閣僚級会合」にも、仙台市から代表の方が参加されると聞いています。
世界各地でさまざまな災害が発生しています。幾多の災害を克服してきた先人たちの叡智、そして震災の経験と教訓を国内外の方に伝え、共有し、防災や減災に役立てていただく事は、大きな意義のあることだと確信しています。私たちの震災の経験と教訓、そして防災の取り組みが世界の皆様と共有され、役立つことを心から願っています。

南蒲生町内会

鎌倉時代から農業集落としての歴史を持つ地域にあり、昭和10年代頃から自治組織として発足。東日本大震災時は約3メートルの津波が襲来して大きな被害を受けたが、現在は住民主導の防災活動や地域の環境を活かした復興まちづくりに取り組んでいる。
ホームページ:http://minami-gamou.com/

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